2020年6月の記事一覧
フェイスシールド着用
暗記のポイント3 海馬をダマす(1)繰り返し覚える
海馬の特性を活かす勉強法とは全く反対の勉強法があります。それは海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために、海馬をダマす方法です。
では、学校で教わる知識を、海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために
は、一体どうしたらよいのでしょうか。(中略)その方法はたった一つしかありま
せん。海馬をダマすしかないのです。p.30『最新脳科学が教える高校生の勉強
法』池谷裕二著(ナガセ)
ダマす方法は繰り返すことです。池谷先生は言います。
海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度
も何度も繰り返し繰り返し、情熱を贈り続けるしかないのです。そうすると海馬
は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と勘違いし
て、ついに大脳皮質にそれを送り込むのです。古来「学習とは何か」に対して、
「学習とは繰り返しである」と言われてきたのは、脳科学の立場からもまったくそ
の通りだと言えます。p.31
今まで、漢字や計算練習など繰り返すことで覚えられたのは、海馬が漢字や計算を「必要なもの」と認めてくれたからです。池谷先生は言います。
つまり成績がよい人とは、忘れても忘れてもめげずに、海馬に繰り返し繰り返し情
報を送り続けている努力家にほかならないのです。p.31
努力の中身は海馬に認めてもらうということだったのです。 校長 見目 宗弘
暗記のポイント2 海馬を活かす 寝る前の暗記学習
海馬は大切な情報を選別するので、覚える量を減らすというのが、前回の方法でした。もう1つ、海馬の特性を活かした暗記方法は寝る前に暗記学習をするということです。これは海馬が寝ている間に情報を整理してくれているという特性を活かした暗記方法です。
『記憶力を強くする』などの著書がある脳研究者の池谷裕二・東大准教授による
と、脳は眠っている間に、日中経験したことを再生していることが分かっているそ
うです。睡眠は脳の情報を整え、記憶を強化するために必須な過程で、特に再生し
ているのは寝る直前の時間帯の情報。そう聞くと、寝る前に勉強した方が効果的な
気がします。(中略)テスト前の緊張で「寝なければ」と気ばかり焦り、眠れない
経験をした人もいるでしょう。でも、電気を消し、布団に入って寝るふりをするだ
けでも、脳内の情報整理には効果があるそうです。「ただし、ラジオを聞いたり、
本を読んだりしたらだめ。睡眠の効用は期待できません」。池谷准教授は、そう話
します。「記憶法①眠ってアマタを整理」『読売新聞』2011年(平成23年)
4月1日(金)
塾講師の安河内哲也先生もこのことを実証するように勉強の体験を示しています。
暗記の方法は様々ありますが、私は受験生のとき、山川出版社の世界史の教科書を
自分で朗読したテープを作り、それを寝る前に枕元で再生していました。朝起きて
すぎに、またその部分を確認すると、ちょっとした時間ですが、かなり記憶を定着
させることができます。p.132『今日から始める「やる気」勉強法』
寝る前を暗記のためにうまく活用している人は多いようです。
・寝る前にただ聞くだけで覚える⁉ 藤田智泰(仮名)・文科2類1年
眠りながら記憶する方法
英語の勉強において、多くの東大生が口をそろえるのは「英語は英文をそのまま理
解し、覚えていくべき」ということ。英単語を細々と調べ上げ、英文を文法に沿っ
て解体して和訳し、1つひとつの単語を記憶して……などというやり方は、NGとい
うわけだ。実際、英語の長文をスラスラと読み解くには、英文全体を見るだけで意
味がわかるようになっている必要がある。そのためにも「英文のまま理解し、覚え
る」ことが重要というわけだ。p.32
・「重要英文は、寝る直前に耳で聞いて覚えていました。眠くなったら、英文リスニ
ングの用意をし、聞きながら寝るというのを日課にしていた。眠いながらも、毎日
毎日何度も聞いていれば、自然と頭に入ってくるものですよ」。p.33
・「就寝前に聞く英文は、完全に理解しているものを選んでいました。これなら、新
たに頭を使う必要がない。既に理解している重要英文20コぐらいを、毎日30分
かけて聞く。同じ英文を2ヵ月ぐらいかけて、毎日繰り返し耳に入れるわけです。
すると、英文全体の音の流れが覚えられる。"記憶しなくては"などと意識せず、本当
にただ聞いているだけという状態でいるのがコツです。まあ、もともと眠いなかで
リスニングをしてい るのですから、ただ聞いているだけしかできませんけどね
(笑)」。p.33『東大生が選んだ勉強法「私だけのやり方」を教えます』東大
家庭教師の会著(PHP)
海馬の働きをうまく利用することで結構覚えられるようです。 校長 見目 宗弘
暗記のポイント1 暗記する量を減らすこと
4年前から記憶術のセミナーを開く宮口さんは、勉強が苦手な子ほど何でも覚えよう
とすることに気づきました。「それではマラソンを全速力で走ろうとするようなもの
で、受験は乗り切れない」。宮口さんは断言した後、思いがけない言葉を口にしまし
た。「覚え過ぎてはいけないのです」(中略)覚え過ぎないを実践するには参考書を
吟味し、覚えなくてはいけないものと、覚えなくていいものとに分ける必要がある。
そのためには、過去の出題問題の研究がかかせない。 「記憶法⑭ 最低限の項目の
み」『読売新聞』2011年(平成23年)7月8日(金)
引用文には、入試に向けて過去の入試問題を分析し覚えることをしぼりこむとあります。これは校内のテストでも同じです。
椋木さんによると、重要な情報をすぐ忘れてしまう人は、情報の選択を脳の自動処
理に丸投げしている場合が多い。記憶力を高めるには、意識的に情報の選択を行わな
ければならず、椋木さんはこの作業を、「脳に記憶フィルターをセットする」と呼ん
でいます。ポイントは、どうやって記憶するかよりも、どう整理すれば記憶しやすい
かと発想を転換すること。整理の基本は、いらない情報を捨てること。(中略)「情
報が必要か不要かを『分ける』ことは『分かる』につながり、『解る』になる」と椋
木さん。 「記憶法71必要な情報か分別」『読売新聞』2012年(平成24年)
10月6日(土)
上の引用もこの引用も、海馬が行っている情報の選別を自分自身で行うというところに特徴があります。海馬の特性に即した暗記法です。 校長 見目 宗弘
記憶の仕組み
記憶は脳の大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)、大脳皮質(だいのうひしつ)という部分がかかわります。大脳辺縁系の中で特に記憶に関わるのは海馬です。海馬は睡眠時間が長いと大きくなり、短いと小さいです。大きさが生活習慣に影響されます。大脳皮質には前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、左脳、右脳があり、この中で特に記憶に関わるのは側頭葉です。記憶は海馬→側頭葉という順に記憶されます。
私たちが文字を見たり、音を聞いたりと、その情報を最初に処理する場が海馬であ
って、海馬は脳の番人のようなものです。たとえば、ある単語を見たとき、海馬は
その際、「知っているか、いないか」「忘れているか、いないか」を判断します。
では、どうやって判断するかというと、まず海馬は前頭葉に問い合わせを行いま
す。前頭葉は記憶の司令塔のようなもので、保存場所である側頭葉の中を調べま
す。その単語が側頭葉に保存されていないものならば、その単語は記憶されていな
いものですから、前頭葉は側頭葉にとりあえずは保存するように指示します。海馬
自体も記憶を保存できるのですが、それは一時的なもので、長く記憶できる保存先
が側頭葉なのです。いわば、側頭葉は「記憶の倉庫」と言える存在です。
・海馬……一時的な保存場所
・側頭葉……ある程度長期的な保存場所
脳が最初に記憶事項を取り扱うのは脳の番人である海馬ですが、学習に必要なのは
いかに側頭葉に記憶されるか、なのです。pp.57-58
『奇跡の記憶術 脳を活かす奇跡の「メタ記憶」勉強法』出口汪著(フォレスト出
版)
海馬に保存された記憶は短期記憶と言われ、側頭葉に保存された記憶は長期記憶と言われます。側頭葉が長期記憶の保存場所で、テストに必要な記憶は側頭葉に保存されなければなりません。ポイントとなるのは脳の番人の海馬です。しかし、その海馬は記憶する情報の選別の基準が厳しいのです。
通行許可の判定基準はなんと、「生きていくために不可欠かどうか」なのです。
(中略)「英単語のひとつやふたつ覚えなくても命に別状はない」といって通して
くれません。短期記憶から長期記憶になることが許されないのです。pp.25-
26『最新脳科学が教える高校生の勉強法』池谷裕二著(ナガセ)
海馬に認めてもらえるのは「生きていくために不可欠なもの」だけです。暗記をしてもなかなか覚えられないのはそのためです。海馬はいじわるかというとそうではなく、実は海馬にも事情があります。側頭葉に記憶できる量が限られているため、記憶する情報を制限しなければならないのです。だから、海馬は不必要なものをどんどん忘れていきます。 校長 見目 宗弘
理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(3)
残念ながら教科書には「リード文」がありません。それは、最初に答えがわかってしまうとつまらないから、1つ1つ発見していけるように、教科書が構成されているためです。
リード文は自分で作るしかないです。自分で作る場合、最初には作れません。内容を知らないからです。単元の区切りや終わりにノートにまとめていくことになります。まとめながら、学習内容を整理するので、理解が深まります。中学1年生や2年生で作ったノートはとっておき、入試の勉強のときに使いましょう。まとめを読むことで、自分で作ったリード文を読むことになり、一気に学習内容を思い出すことができます。まとめの文がリード文としての役目を果たします。
参考として、新聞に載っていたまとめについての記述を示します。
社会 教科書や単元や内容の区切りのよいところで、基礎知識を定着させるための
「まとめノート」を作りましょう。まとめノートを作ると、細かな知識が整理さ
れ、全体像や流れがつかみやすくなります。さらに、ノート作りは、要点をつかん
で端的にまとめる練習になり、記述問題に対応できる力を養うことにもつながりま
す。 開倫塾 渡辺裕子「社会は『音読とノート作り』」『読売新聞』2014年
(平成26年)5月9日(金)
理科 これらを全て正解するには、語句と公式に加えて、実験や観察の方法・手
順、経過と変化の理由、注意点とその理由、結果とその考察、グラフや表の読み取
りを総合的に理解し身に付けていることが不可欠です。そこで実行してほしいのが
次の学習です。
①教科書の内容を、実験や観察、グラフ、表、写真などを含めて隅から隅まで丁寧
に何度も読む。②実験器具の使い方、実験方法、観察の手順、結果をノートにまと
める。頭にイメージが残りやすいように、図やグラフも手描きする。
開倫塾 徳田進「理科 総合的な理解必要」『読売新聞』2015年(平成27
年)5月22日(金)
これらのノートがあれば、トップダウンの情報処理ができます。 校長 見目宗弘
理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(2)
先の文章は洗濯について説明した文章です。洗濯とわかるとどうでしょう。文章が一気に理解できます。これがトップダウンの情報処理です。学習内容の理解では、このトップダウンの情報処理を目指します。
それには、ポイントがあります。大まかな理解から細部に入っていくのです。
何よりも重要なことは、まず「勉強内容の全体像をつかむ」こと。p.3
全体像を大まかに把握し、部分の学習に入っていく。それが「すごい勉強法」の基
本です。p.24 『すごい「勉強法」』高島徹治著(三笠書房)
これはちょうど新聞の「リード文」を読むようなものです。新聞には「見出し」「リード文」「本文」があります。「リード文」は「本文」を要約したものです。写真の赤で囲んだ部分です。
「本文」を読む前に「リード文」を読むと、だいたいのことが理解できます。そして、だいたいを理解した上で「本文」を読むとすでにあらましを知っているから「本文」の内容が入ってきます。
大まかに理解した上で、細かく理解していくことでトップダウン的に情報処理をすることができます。 校長 見目 宗弘
理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(1)
2つの情報処理があります。ボトムアップ処理とトップダウン処理です。次の説明の通りです。
私たちが何かを認識したり判断を下したりするときには、脳の中で2方向の情報処
理が行われます。1つは物事を詳細に丁寧に分析する方法で、これをボトムアップ
処理と言います。もう1つは自分の知識や経験などから判断を下す方法で、トップ
ダウン処理と言います。知識はトップダウン的に効率よく情報を処理するのに不可
欠なのです。いくつか例を挙げましょう。例えば、手書きの汚い文字が読めるの
も、「ほら、あれが、あれして」といった情報に乏しい発言が理解できるのも、全
部、トップダウン処理のおかげです。欠けている部分を知識や経験で補って,認識
しているわけです。pp.5-6『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えた
こと』佐藤浩一著(北大路書房)
この説明だけでは実感できないので、次の文章を読んでほしいと思います。認知心理学の実験でよく用いられる文章です。何について書かれているかわかりますか。
その手順は全く簡単である。まず、ものをいくつかのグループに分ける。もちろ
ん、ひとまとめでもよいが、それは、やらなければならないものの量にもよる。も
し設備がないためどこかよそにいかなければならない場合には、それが次の段階と
なる。そうでない場合は、準備はかなりよく整ったことになる。重要なことは、や
りすぎないことである。すなわち、一度に多くやりすぎるよりも、少なすぎる方が
よい。この重要性は、すぐにはわからないかもしれないが、面倒なことは、すぐに
起こりやすいのだ。その上、失敗は高価なものにつく。最初は、その全体の手順は
複雑に思えるかもしれない。しかし、すぐにそれは生活のほんの一面になるであろ
う。近い将来、この仕事の必要性がなくなるとは予想しにくいが、誰もなんとも言
えない。その手順が全て終わったあとで、ものを再びいくつかのグループに分けて
整理する。次にそれらは適当な場所にしまわれる。結局、それらは再び使用され、
その全体のサイクルは繰り返されることになる。とにかくそれは生活の一部であ
る。(Bransford & Jhonson,1973)
私は最初この文章を読んだとき「一文一文の意味はわかるけれども、全体で何を言っているかわからない」という状態でした。これがボトムアップの情報処理です。ボトムアップの情報処理では、1つ1つ積み上げても全体として何のことかがわからないという状態が生じてしまいます。数学の応用問題を解いているときや国語の現代文を読んでいるときの状態に近いと思います。「わかるんだけれどもわからない」という状態です。
校長 見目 宗弘
アウトプットで理解が確かになる
理解はインプットですが、アウトプット、つまり、表現してみると理解しているかどうかがわかります。
自分がわかっているのか、いないのか、どうももやもやしているというときに、説
明できるかどうかでチェックしてみるというのはすごく大切な勉強法だ。pp.74
-75『勉強法が変わる本ー心理学からのアドバイス-』市川伸一著(岩波ジュニ
ア新書)
相手がいる場合は、相手に説明し、一人の場合は、ノートに書き出してみると良いです。また、アウトプットは知識の定着にもなります。
かいつまんで話す練習をしているうちに、知識も定着してくる。ところが、こうし
た練習をくりかえし行っている授業はほとんどない。授業の多くは教師が話すだけ
なので、知識が定着するのが、教師になってしまっている。(中略)はじめは、教
師の答えを復唱するのでもよいから、口に出して論理的に説明してみる練習が必要
である。pp.44-45 『子どもに伝えたい〈三つのつの力〉』斎藤孝著(NH
Kブックス)
かいつまんで話したりノートに説明を書き出したり、これらは見落としがちな勉強法ですが、理解を深め、知識を定着させる勉強法です。 校長 見目 宗弘
理解は説明の仕方、説明内容、説明者に左右される(3)
4 理解は感情に左右される
理解が感情に左右されるのは、A10神経群と言われる脳の扁桃核(へんとうかく)と即坐核(そくざかく)が「おもしろい」、「おもしろくない」、「好き」、「嫌い」を判断するからです。これらがうまく機能すれば、好奇心が高まります。しかし、嫌いと思ってしまうと、「自己保存の本能」が働き、避けてしまうことになります。A10神経群は「自己保存の本能」を司るため、両刃の剣なのです。話を受け流すようにもなってしまいます。
人間には自分を守りたいという自己保存の本能があります。しょっちゅう叱られて
いると、脳は苦しくなって、脳自身を守るために叱っている人の話を受け流すよう
になります。その状態が慢性化すると、だんだん人の話を真剣に聞かない脳ができ
あがっていきます。p.73『〈勝負脳〉の鍛え方』林成之著(講談社現代新書)
いつも叱ってばかりいる人が説明者だと、上記のように説明は全然入っていきません。説明者によって理解が左右されてしまうのです。
また、数学の問題を見て、「難しい。」と思ってしまったときも、同じように「自己保存の本能」が働いてしまいます。
「こんなむずかしいものはわからない。嫌いだ」と最初に否定的な「気持ち」が生
まれると、自己保存の本能が働いて、それを避けたり、いいわけをして自分を守る
行動をとります。p.80 『素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる』林成之
著(教育開発研究所)
嫌いなものから自分を守るために、問題文を粘り強く読み込むことができないのです。
ただ、同じ問題を見て、粘り強く読める人もいるわけで、その違いはどこからくるのでしょうか。脳科学者の林先生は著書『素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる』(教育開発研究所)の中で、次のように説明しています。
ここで、本来であれば、「正しい判断をする基盤となる統一・一貫性の本能の環境
がおかしい」と前頭葉が判断し、「これはまずい……もっと勉強しよう」という
「気持ち」が生まれてくるのです。ところが、少しくらい間違っても「まぁ、いい
か」「だいたいできた」で終わらせてしまう学習をしていると、統一・一貫性の本
能がゆるんだ状態となって、少しくらい間違っても気がつかないようになってしま
います。p.80
脳の前頭葉は「統一・一貫性の本能」を司り、筋が通っていて一貫した正しい判断を下す働きをしています。ふだんの学習で前頭葉を鍛えていないと、「難しい」という最初の印象を受けて、前頭葉が「この問題は難しい問題だ」と断定してしまうのです。しっかり読み込めば自力で解けた問題も、必要以上に難しい問題となり、理解できない問題となってしまいます。
前頭葉を鍛えるにはどうしたら良いのでしょうか。林先生は次のように述べています。
「統一・一貫性を望む本能」は、同じ遊びや練習、勉強をくり返すことによって鍛
えられ、正しい判断力のレベルが上がってきます。ところが、目先の効率を重視し
て、「同じ事をくり返すのは無駄だ」と思っている人が多く、「いつまで同じ事を
やっているんだ!」という声が飛び交っています。これでは、普通の人には分からな
い微妙な違いを 見分ける判断力を、本能のレベルから鍛えることができないた
め、才能を持った子どもを育てることはできません。事実、たとえばアメリカ・メ
ジャーリーグのイチロー選手のように超一流の人たちは、共通して、行動パターン
や仕事の環境にまで一定に整え、無意識のうちに統一・一貫性の本能から判断力を
高める習慣を持っています。pp.3 -4
くり返しの学習の大切さを痛感します。 校長 見目 宗弘