暗記のポイント3 海馬をダマす(1)繰り返し覚える
海馬の特性を活かす勉強法とは全く反対の勉強法があります。それは海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために、海馬をダマす方法です。
では、学校で教わる知識を、海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために
は、一体どうしたらよいのでしょうか。(中略)その方法はたった一つしかありま
せん。海馬をダマすしかないのです。p.30『最新脳科学が教える高校生の勉強
法』池谷裕二著(ナガセ)
ダマす方法は繰り返すことです。池谷先生は言います。
海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度
も何度も繰り返し繰り返し、情熱を贈り続けるしかないのです。そうすると海馬
は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と勘違いし
て、ついに大脳皮質にそれを送り込むのです。古来「学習とは何か」に対して、
「学習とは繰り返しである」と言われてきたのは、脳科学の立場からもまったくそ
の通りだと言えます。p.31
今まで、漢字や計算練習など繰り返すことで覚えられたのは、海馬が漢字や計算を「必要なもの」と認めてくれたからです。池谷先生は言います。
つまり成績がよい人とは、忘れても忘れてもめげずに、海馬に繰り返し繰り返し情
報を送り続けている努力家にほかならないのです。p.31
努力の中身は海馬に認めてもらうということだったのです。 校長 見目 宗弘