暗記のポイント1 暗記する量を減らすこと
海馬が側頭葉に情報を保存することをなかなか認めてくれない性質をふまえると、暗記のポイントは「覚える情報を減らすこと」です。何でも覚えられると過信してしまうと覚えるのに苦労するからです。
4年前から記憶術のセミナーを開く宮口さんは、勉強が苦手な子ほど何でも覚えよう
とすることに気づきました。「それではマラソンを全速力で走ろうとするようなもの
で、受験は乗り切れない」。宮口さんは断言した後、思いがけない言葉を口にしまし
た。「覚え過ぎてはいけないのです」(中略)覚え過ぎないを実践するには参考書を
吟味し、覚えなくてはいけないものと、覚えなくていいものとに分ける必要がある。
そのためには、過去の出題問題の研究がかかせない。 「記憶法⑭ 最低限の項目の
み」『読売新聞』2011年(平成23年)7月8日(金)
引用文には、入試に向けて過去の入試問題を分析し覚えることをしぼりこむとあります。これは校内のテストでも同じです。
椋木さんによると、重要な情報をすぐ忘れてしまう人は、情報の選択を脳の自動処
理に丸投げしている場合が多い。記憶力を高めるには、意識的に情報の選択を行わな
ければならず、椋木さんはこの作業を、「脳に記憶フィルターをセットする」と呼ん
でいます。ポイントは、どうやって記憶するかよりも、どう整理すれば記憶しやすい
かと発想を転換すること。整理の基本は、いらない情報を捨てること。(中略)「情
報が必要か不要かを『分ける』ことは『分かる』につながり、『解る』になる」と椋
木さん。 「記憶法71必要な情報か分別」『読売新聞』2012年(平成24年)
10月6日(土)
上の引用もこの引用も、海馬が行っている情報の選別を自分自身で行うというところに特徴があります。海馬の特性に即した暗記法です。 校長 見目 宗弘