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ゆたかな丘 News & Events

全校草むしり


 昨日は、清掃の時間を使って、全校草むしりを行いました。この時期は、草木の成長が早く、生命の力強さも感じます。

学校再開直後の様子

 学校が再開されて3日目。写真は、昨日1年生が避難経路の確認をしたときのものです。もう1枚は、昼休みに校庭で元気に遊ぶ様子です。生徒達が真剣に学習に向き合ったり、楽しそうに活動したりする姿を見て、素直にうれしい気持ちでいっぱいです。



時間をうまく使えないときの対応

 勉強時間を確保できたとしても、時間をうまく使えないときがあります。
 それはどんなときでしょうか。『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』佐藤浩一著(北大路書房)には、3つあげられています。「具体的な目標が意識できないとき」、「目標が大きすぎるとき」、「好きな教科ばっかりやってしまうとき」です。目標に関するものは、その日、何をやるか、やることをはっきりさせれば対応できます。難しいのが3つ目の「好きな教科ばっかりやってしまうとき」の対応です。『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』には次の説明があります。

  第三に、好きな教科ばかりやって、嫌いな教科は後回しにして、結局時間が足り
  なくなる、ということがよくあります。これは、「何をしないといけないか、具
  体的にわかっているけれども、その順序を間違えている」ということです。この
  場合、かなりの荒技ですが、自分で自分にご褒美を出すようにすると、うまくい
  くことがあります。そのご褒美とは、好きな教科の勉強です。例えば、国語が苦
  手で数学が好きなら、「とにかく国語の課題を毎日1頁は勉強する。それができ
  たら初めて、好きな数学に取り組む」というルールを自分で作るのです。p.
  219

 
 苦手な教科を先にやってしまうという対応です。苦手な教科は気が乗らないので、ご褒美として、その後、好きな教科の勉強をするというようにします。このように自分にご褒美を出すと、苦手なことも頑張れるようになります。 校長 見目 宗弘

勉強時間を作り出すために何かをやめる

 勉強量を増やすためには時間を作り出さねばなりません。多くの場合、「睡眠時間を削って」という話になりますが、学習効果を上げるには睡眠時間は確保したいところです。なぜなら、寝ている間に脳の重要な部位である海馬が育つからです。

  一番成績がいいのは「8~9時間」寝ていた子たち。(中略)脳の中でも学習や
  記憶に強くかかわる「海馬」と呼ばれる部位の体積が、睡眠時間と正相関すると
  いうことです。つまり「睡眠時間が長い子どもは、海馬がよく育つ」といえるわ
  けです。pp.194-195(『頭のよい子に育てために3歳から15歳のあ
  いだに今すぐ絶対や  るべきこと』川島隆太著(アチーブメント出版)より)

 
 米国国立睡眠財団は14~17歳の子の望ましい睡眠時間は8~10時間と報告しています。少なくとも7時間は睡眠時間を確保したいと報告しています。
 睡眠時間を削らずに時間を作り出すためには、どうしたらよいのでしょうか。池田潤氏は「何かをやめることだ」と言います。

・勉強量を増やすとは結局のところ、勉強以外の時間を減らし、勉強の時間を増やす
 という、しごくシンプルなことです。だからまず、自分の一日を整理してみて、無
 駄な時間を排除していくのです。優先的に排除していくのは、「緊急でもなく、重
 要なことでもない」活動。p.71
・大事なのは、まず何をやめるかを決めること。多くの人は、何かをやろうと思う一
 方で、何をやめるのかを決めていません。しかし、何かをやめないことには、何か
 をする時間など生まれません。勉強だって同じことです。今までと同じ生活をして
 いたら、勉強時間を増やすことなどできない。ということは、今までの自分の行動
 のなかから何かを「やめる」と決めることが必要になります。pp.73-74
   『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)より

 
 時間を作り出すのは難しいところですが、やりくりして1日30分でも多く確保できたら、結果として大きな時間を生み出せたことになります。校長 見目 宗弘

できない問題を何度でもやる(量の大切さ)

 ここから第2部「学習量」に入ります。
 学力を上げるには、やはり勉強量が必要です。量が結果を左右するのは、どの世界でも言えることではないでしょうか。齋藤孝先生は次のように言っています。

  学力をアップさせる基本は、とにかく問題を解くこと。野球で球をたくさん打た
  ないとうまくならないのと同じで、どれだけ勉強ができるようになるかは、解い
  た問題の量なのです。だから問題集は、よく選んでください。参考書と問題集を
  兼ね備えたような、解答が充実している問題集がいい。(中略)やり方として
  は、まずすぐに解けた問題は、二度とやらなくていい。でも、できなかった問題
  はマークをつけておいて、できるようになるまで何度でもやります。pp.
  177-178  『齋藤孝の勉強のチカラ!』齋藤孝著(宝島社)より

 
 齋藤先生は、勉強量が大切なこと、できない問題を何度でもやることが大切なことを述べられています。
 勉強しているのに成績が思うように伸びないという場合、その一因として、この「できない問題を何度でもやる」ということがおろそかにされていることが考えられます。
 何度でもやる方法は簡単です。例えば、数学の問題を1番から10番までやり、4番と7番と8番ができなかったとき、2回目は4番と7番と8番だけやります。2回目にやって、4番ができ7番と8番ができなかったら、3回目は7番と8番だけをやります。というように繰り返していくのです。できるところはやらないので短時間でできます。しかも、できないところを繰り返してやるので定着していきます。
 この発想は実力テストでも同じです。実力テストでできなかったところをリストアップしていくと、自分が強化すべき部分が見えてきます。 校長 見目 宗弘

学校だ!

校舎内に響く子どもたちの声。

校庭で遊ぶ子どもたちの声。

ついに、学校本格再開!

正直、疲れる!けれど、心地よい疲労感。
なんというか充実感。

学校が戻ってきましたね。

「当たり前」のありがたさってやつはすぐに忘れられてしまうもの。

日常のあわただしさに流されないように。

しっかり、目の前の「当たり前」に感謝しようと思います。

あぁ、コッペパンにイチゴジャム、、、おいしかったなぁ。

やる気をキープするための努力の貯金

 やる気が出ても、そのやる気はちょっとしたことで下がってしまうことがあります。そんな時、どうすれば良いのでしょうか。何度も引用させていただいている『伸びる子の育て方』品川女子学院校長 漆紫穂子著(ダイヤモンド社)には、次のように書かれています。

  もうひとつは、子どもの自信が揺らぐようなことがあったとき、その「貯金」を
  思い出させてあげることです。p.61

 子どもの頑張りを振り返らせることです。例えば、子どもの今までの自主学習ノートを並べたり、勉強に使った短くなった鉛筆等を並べたりして、今まで頑張ってきたことを振り返らせることです。努力の貯金を見ることで子どもは自然と自信を取り戻します。
                       校長 見目 宗弘

意欲と家庭教育 ごほうびが効果的な場合

 心理学的な立場から判断すると「成績が上がったら○○を買ってあげる」等のごほうびは、効果的な場合とそうでない場合とがあります。
 効果的な場合は子どもに学習意欲がない場合です。ごほうびを目当てに学習をがんばることができます。
 しかし、学習意欲が上がってきた場合には効果的ではありません。学習意欲が上がってきた場合は、学習自体を目的とすることができていたのに、それがごほうびにすりかわってしまうからです。また、ごほうびをくれる人にコントロールされているという気持ちが生まれてしまいます。だから、自ら学習しようという意欲が低下してしまいます。(この情報は『学習意欲の心理学 自ら学ぶ子どもを育てる』桜井茂男著(誠信書房)より。)
 子どもをやる気にさせるのは難しいですね。     校長 見目 宗弘

やる気を出させる親のかかわり方

 品川女子学院の漆紫穂子校長先生が、受験を終えた生徒に「受験期に、親にしてもらってよかったこと」を聞いたところ、よかったと答えたことが2つあります。それは、「気持ちのフォロー」と「生活リズムのフォロー」です。
  「気持ちのフォロー」は、子どもが必要とするときにだけ手を貸し、あとは見守ることです。「生活リズムのフォロー」は、生活環境を整えることです。漆校長先生は「3点固定の法則」が大事だと言います。3点とは、起床の時間、夕食の時間、就寝の時間のことです。この3つの時間が、毎日固定されていると、生活にリズムが生まれ、勉強をする時間が確保しやすくなります。             校長 見目 宗弘
本からの引用 やる気を出させる親のかかわり方.pdf

習熟というエース

 授業をおもしろくする言語活動が使えない今、中学生の皆さんが勉強に前向きになれるようにする方法は、皆さんが「できるようになった!」という実感をもてるような授業をすることです。習熟を核とした授業をすることです。
 豊岡中の場合、今年は「まねること」を大切にした授業をします。模範や例を示し、それができるようになるように皆さんが工夫する授業です。「まねること」で「できた!」が増えるはずです。自己肯定感を高め、生徒の皆さんのやる気を高めます。校長 見目宗弘

授業という形式が学習をつまらないものにしている

  教科書の中身が実はおもしろそうだとすると、勉強が好きになれないのはなぜなのでしょうか。奈須正裕という大学の先生は、その原因を授業だと言っています。
  
  子どもたちは教科の授業には興味を示さないかもしれないが、教科に関わる事物・
  現象自体には大きな関心を寄せている。そして、それらをもっと知りたいとさえ思
  っている。内容でないとすれば、何が原因なのだろう。形式である。「教科もおも
  しろいものだ。」子どもたちも心のどこかではそう思っている。pp.62-63
  『学ぶ意欲を育てる 子どもが生きる学校づくり』奈須正裕著(金子書房)より
 
 この文章中の形式とは授業のことを言っています。教師の話を聞いてばかりの授業では学習内容への興味もなくなってしまいます。そこで、授業をおもしろくするために考えられたのが、言語活動です。近くの人と話し合ったり、グループで課題を解決したりする授業で、生徒の皆さんが活動し、学習内容に興味を持てるようにした授業です。授業の中に活動があったことで、聞いてばかりの授業よりずっとおもしろくなったと思います。
 しかし、今、新型コロナウイルス感染症を予防するために授業中の話し合いができなくなってしまいました。とても残念です。
 今、授業をおもしろくする方法が2つあります。1つは次に示す開成高校を見習うことです。

  実は、教養のおもしろさに目覚めると、勉強をする気がガンと出るということがあ
  るんです。教養の魅力に引きずられて、「ああ、もっと勉強したい」と、思うよう
  になる。実際に、進学校の開成高校などでは、教養に対する意欲を徹底的に刺激す
  る教育をしているそうです。p.26 『齋藤孝の勉強のチカラ!』齋藤孝著(宝島
  社)
 
 学習内容はおもしろいんだよって皆さんに伝えることです。そこで、開成高校ではどんなことをやっているのか、知りたくで調べてみました。が、現時点ではわかりませんでした。とても悔しいです。では、どうすれば授業はおもしろくなるのでしょうか。
                             校長 見目宗弘

教科書は冷凍食品

    齋藤孝さんは教科書は偉人たちの発見をまとめたものなので、感動できるおもしろいものだと言います。

  実は、その結晶が集まっているのが教科書なのです。歴史学者の知的興奮がつまっ
       て、歴史の教科書になる。化学の教科書には、化学者の発見が満ちている。人類の
       偉人や天才たちが発見したその驚き、最高の知的興奮が、冷凍保存されてつまって
  いるのが教科書なのです。p.50
 
 だから、教科書を学ぶことは感動を味わうことだと言います。
 
  勉強の感動とは、すなわちその知識を発見してきた偉人たちの感動の追体験だと言
  えます。pp.47-48
 
 教科書には最高の知的興奮があると言われても、ピンと来ないかも知れません。それは教科書に書かれたことは当たり前のこと過ぎて、わくわくしないからです。例えば、小学校の国語の教科書の「はじめ・なか・おわり」という文章構成。低学年から出てきていて、わくわくしません。しかし、次の説明を読むとどうでしょう。今から2千年以上も前のことです。

  例えば、最初のレトリックの教師の一人であるコラクスは、法外な謝金をとって、
  ひとつの「秘術」を伝授していた。ある順序で弁論を行えば成功間違いなしという
  のである。その「秘術」とは、実は「序論ー本論(論証)-結論」であった。これ
  は現代のわれわれから見れば、文章構成のイロハであるが、当時にあっては決して
  そうではない。この程度の簡単な技術であっても、それは言語使用の実践から自然
  に生み出されるものではなく、技術として定式化されるにはやはり一人の「天才」
  を必要としたのである。p.342 『音声言語指導大事典』高橋俊三編(明治図
  書)より

 説明の中の「序論ー本論(論証)-結論」が「はじめ・なか・おわり」です。「はじめ・なか・おわり」は、発明当時、法外なお金をとって教えられていたことなのです。教科書の中にはこのようなことがたくさんあるのかも知れません。齋藤孝さんは言います。

  教科書の中に冷凍保存されているものをちゃんと解凍して味わえば、学者が発見し
  たときの興奮を、私たちも再体験、追体験することができる。そういう知的興奮を
  どれだけ自分に巻き起こせるかが、勉強する上でのカギです。いかに学んで感動す
  るか。学ぶ感動を日々得ることができたら、学校での勉強はもちろんのこと、人生
  そのものがすごく楽しくなります。p.51
 
 教科書の中の冷凍食品を解凍すると勉強が楽しくなるのだと思います。  
                           校長 見目宗弘

まとめると「感動」と「習熟」

    ここまで書いてきたことが『齋藤孝の勉強のチカラ!』齋藤孝著(宝島社)という本の中に実にコンパクトに書かれています。

  学ぶことで得られる興奮や喜び。これを勉強という面から見ていくと、大きく2つ
       の柱で成り立っています。ひとつは「感動」、もうひとつは「習熟」です。学ぶこと
       とは、この2つに尽きると思います。p.46
 
     今まで述べてきた願望(目標)と自己肯定感は、齋藤孝さんにかかると「感動」と「習熟」というとてもわかりやすい言葉になるのですね。脱帽です。     校長 見目 宗弘

朝から感動、、、


 おはようございます!5月最後の土曜日です。
 すばらしい天気に心ウキウキ!ホームページを更新します~!

 新型コロナを乗り越える具体策を募集中です。

 すでにいくつか回答がありました。

 朝から感動しています。

 ある保護者の方から、「応援メッセージ」が届きました。
 紹介させていただきます。
 
★大会や学校行事がなくなってしまい残念ですね。
 保護者の私も大会や行事を見るのが大好きなので、
本当に残念で悔しくてこっそり泣きました。
 悔しかったり悲しかったり泣いても何も変わらないけど、
意外とスッキリしました。
 もし、モヤモヤしていたら友達と愚痴を言ったり泣いたりするのもいいんじゃないかと思います。
 それで、ちょっとスッキリしたら、これから皆で楽しめることを考えたらいいんじゃないかと思います。
 豊中生が楽しい学校生活をおくれますように!! 心から願っています。★

 素敵なサポーターがたくさんいるのが豊岡地区の魅力であり、強みだと思います。

 松下幸之助さんは、決して「~のせい」と言い訳をしませんでした。
逆に「~だったからこそ・・・できた」と、プラス思考を続けました。
 「新型コロナがあったから、~できた!」そんな年にしましょう!

 https://forms.gle/yZDVhLoots57qR717
 まだまだ募集中!

教師の仕事は生徒の皆さんをやる気にさせること

    やる気は生徒の皆さんの問題ですが、教師の側からすると皆さんをやる気にさせることが教師の仕事です。なぜなら、教師の仕事は皆さんに力をつけることだからです。そのためには皆さんをやる気にさせなくてはなりません。
 だから、教師の仕事は2つあります。皆さんに願望(目標)をもたせることと自己肯定感を高めることです。願望(目標)というと難しくなりますが、皆さんの好奇心を高め、心を刺激することです。「おもしろい」という授業をすることです。学習内容に興味を持てるようにすることです。もう1つは、良いクラスをつくることです。居心地の良いクラスをつくることで、皆さんは集団に貢献でき、自然と自己肯定感が高まります。
 皆さんのやる気は、先生方のかかわりと大きく関係しています。豊中の先生方は臨時休業中、おもしろい授業をするために一生懸命教材研究していました。「がんばらねば。」と思います。 校長 見目宗弘

やる気を出すスキル

『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)に載っていたやる気を出すスキルをまとめました。あくまでも1つの考えですが、参考になれば幸いです。         
                       校長 見目 宗弘
本からの引用 やる気を出すスキル.pdf

具体的な行動アイデアを募集します!


泣いても笑っても時間は過ぎていきます。
新型コロナウイルス(とその対策)は、私たちの生活に
大きな制限をもたらしています。
それを乗り越え、自分たちの手で、「満足感」や
「納得感」を得ましょう!

生徒のみなさんだけでなく、
保護者や卒業生も一緒になって、まずは知恵を集めましょう!


https://forms.gle/68EUuJE6zneEjEmz5

新型コロナの影響を乗り越える

 新型コロナウイルスによる感染者数は日に日に減り、
日常を取り戻しつつある感はあります。
 しかし、まだまだ影響は大きいです。

 今年度予定されていた行事はことごとく中止となります。
 総体の中止、コンクール中止と、部活動における大きな目標のようなものがなくなりました。
 そして、さらに学校行事も中止や規模の縮小を余儀なくされています。
 例えば、生徒会レク、運動会、そして豊中祭。
 クラスの一体感を味わえる機会がなくなってしまいました。


 どうしましょう?
 コロナだから仕方がない。
 今年は不運だった。

 私はそう思いたくありません。

 大会やコンクール、そして学校行事は、言ってみれば
「充実感を味わうためのきっかけ」「人間関係について学ぶためのきっかけ」の
一つです。

 だから、生徒の皆さんには知恵を出してほしいと思います。
 コロナの影響を乗り越えながら、自分を磨き、人間関係を上手に築き、二度とない中学校生活を価値あるものにする具体的な行動をとってほしいです。

 今までは、与えられた機会を受け取り、それにぶつかっていました。

 今回は、成長するための機会を自分で生み出すことが求められています。
 待っているだけでは、「コロナのせいで・・・」となります。

 しかし、これをチャンスととらえ、前進しましょう。

 特に3年生、「あの時の3年生は立派だった」と言われるように、
知恵を出し、汗を流し、行動していきましょう!

 長文失礼しました。岩井

達成感を味わうための小さな目標

 できなくてもよい願望(目標)は大きな気分になれるけれども、実際は実現できないことでだんだんとやる気が失せていってしまいます。心理学者のバンデュラという人は大きな目標に達するための小さな目標を考えました。

・人が何かに取り組む時には、目標が必要である。目標が明確である方が,取り組み 
 やすいし、意欲もわいてくる。しかし、遠隔目標、すなわち遠い将来の大きな目標
 では、その効果は半減する。(中略)バンデュラは、遠隔目標へと至る道筋の上
 に、できるだけ 身近で小さく具体的な目標を段階的に設定することによって、行
 動コストを押し下げ,「自分にもできそうだ」という感覚を高められるのではない
 かと考えた。これが、近接 目標の考え方である。また、バンデュラは、この「自 
 分にもできそうだ」という感覚を 自己効力と呼ぶ。算数を課題とした研究の結
 果、近接目標を与えられた学習に取り組ん だ子どもたちは、自己効力を高め、実
 際の成績も飛躍的にこうじょうさせることができた。(中略)毎日コツコツと努力
 するためには、毎日の努力を導く身近で具体的な目標が必要なのであり、「気合」
 だけではダメである。pp.189-191
        『学ぶ意欲を育てる 子どもが生きる学校づくり』奈須正裕著(金子書房)より

 
 バンデュラのいう小さな目標はクリアするたびに達成感を味わえるもので、自己肯定感を味わえます。大きな目標である願望(目標)と自己肯定感を味わえる小さな目標を組み合わせることで、やる気が持続します。      校長 見目 宗弘

心の着火剤としての願望(目標)

 やる気には願望(目標)と自己肯定感が大切であることを見てきましたが、少し整理が必要です。大きな目標を立てた時、それを実現できずに達成感を味わえず、やる気が失せてしまうということが起きてしまうからです。願望(目標)と自己肯定感が対立することになってしまいます。両者が対立しないようにするには、どうしたら良いのでしょうか。『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)には、次のようにあります。
 
 ・勉強で結果を出せる人というのは、近くにある短期的な欲求を満たすよりも、は 
  るかに大きな願望を達成したいと思っている人です。p.92
 ・では、どうすれば強い願望を持つことができるのでしょうか?まずは、「自分は
  どういう人生を送りたいのか」を明確にすることです。(中略)このとき重要な
  のは、「できる・できない」は考えないということ。とにかく、自分がこうなっ
  たらいいな、と思うことを考えて書き出す。私たちは、どうしても「できる・で
  きない」で物事を判断してしまいます。しかし、今の自分にできることのなかか
  らは、今の自分を奮い立たせる強い願望はなかなか出てこない。pp.96-
  97

 
 ここに書かれたように大きなことを考えると不思議と心が高揚してきます。できなくてもよいことで、自然とやる気が出てきます。願望(目標)は心の着火剤として有効です。
                            校長 見目 宗弘