ゆたかな丘 News & Events
授業という形式が学習をつまらないものにしている
子どもたちは教科の授業には興味を示さないかもしれないが、教科に関わる事物・
現象自体には大きな関心を寄せている。そして、それらをもっと知りたいとさえ思
っている。内容でないとすれば、何が原因なのだろう。形式である。「教科もおも
しろいものだ。」子どもたちも心のどこかではそう思っている。pp.62-63
『学ぶ意欲を育てる 子どもが生きる学校づくり』奈須正裕著(金子書房)より
この文章中の形式とは授業のことを言っています。教師の話を聞いてばかりの授業では学習内容への興味もなくなってしまいます。そこで、授業をおもしろくするために考えられたのが、言語活動です。近くの人と話し合ったり、グループで課題を解決したりする授業で、生徒の皆さんが活動し、学習内容に興味を持てるようにした授業です。授業の中に活動があったことで、聞いてばかりの授業よりずっとおもしろくなったと思います。
しかし、今、新型コロナウイルス感染症を予防するために授業中の話し合いができなくなってしまいました。とても残念です。
今、授業をおもしろくする方法が2つあります。1つは次に示す開成高校を見習うことです。
るんです。教養の魅力に引きずられて、「ああ、もっと勉強したい」と、思うよう
になる。実際に、進学校の開成高校などでは、教養に対する意欲を徹底的に刺激す
る教育をしているそうです。p.26 『齋藤孝の勉強のチカラ!』齋藤孝著(宝島
社)
学習内容はおもしろいんだよって皆さんに伝えることです。そこで、開成高校ではどんなことをやっているのか、知りたくで調べてみました。が、現時点ではわかりませんでした。とても悔しいです。では、どうすれば授業はおもしろくなるのでしょうか。
校長 見目宗弘
教科書は冷凍食品
て、歴史の教科書になる。化学の教科書には、化学者の発見が満ちている。人類の
偉人や天才たちが発見したその驚き、最高の知的興奮が、冷凍保存されてつまって
いるのが教科書なのです。p.50
だから、教科書を学ぶことは感動を味わうことだと言います。
勉強の感動とは、すなわちその知識を発見してきた偉人たちの感動の追体験だと言
えます。pp.47-48
教科書には最高の知的興奮があると言われても、ピンと来ないかも知れません。それは教科書に書かれたことは当たり前のこと過ぎて、わくわくしないからです。例えば、小学校の国語の教科書の「はじめ・なか・おわり」という文章構成。低学年から出てきていて、わくわくしません。しかし、次の説明を読むとどうでしょう。今から2千年以上も前のことです。
ひとつの「秘術」を伝授していた。ある順序で弁論を行えば成功間違いなしという
のである。その「秘術」とは、実は「序論ー本論(論証)-結論」であった。これ
は現代のわれわれから見れば、文章構成のイロハであるが、当時にあっては決して
そうではない。この程度の簡単な技術であっても、それは言語使用の実践から自然
に生み出されるものではなく、技術として定式化されるにはやはり一人の「天才」
を必要としたのである。p.342 『音声言語指導大事典』高橋俊三編(明治図
書)より
たときの興奮を、私たちも再体験、追体験することができる。そういう知的興奮を
どれだけ自分に巻き起こせるかが、勉強する上でのカギです。いかに学んで感動す
るか。学ぶ感動を日々得ることができたら、学校での勉強はもちろんのこと、人生
そのものがすごく楽しくなります。p.51
教科書の中の冷凍食品を解凍すると勉強が楽しくなるのだと思います。
校長 見目宗弘
まとめると「感動」と「習熟」
の柱で成り立っています。ひとつは「感動」、もうひとつは「習熟」です。学ぶこと
とは、この2つに尽きると思います。p.46
今まで述べてきた願望(目標)と自己肯定感は、齋藤孝さんにかかると「感動」と「習熟」というとてもわかりやすい言葉になるのですね。脱帽です。 校長 見目 宗弘
朝から感動、、、
おはようございます!5月最後の土曜日です。
すばらしい天気に心ウキウキ!ホームページを更新します~!
新型コロナを乗り越える具体策を募集中です。
すでにいくつか回答がありました。
朝から感動しています。
ある保護者の方から、「応援メッセージ」が届きました。
紹介させていただきます。
保護者の私も大会や行事を見るのが大好きなので、
本当に残念で悔しくてこっそり泣きました。
悔しかったり悲しかったり泣いても何も変わらないけど、
意外とスッキリしました。
もし、モヤモヤしていたら友達と愚痴を言ったり泣いたりするのもいいんじゃないかと思います。
それで、ちょっとスッキリしたら、これから皆で楽しめることを考えたらいいんじゃないかと思います。
豊中生が楽しい学校生活をおくれますように!! 心から願っています。★
素敵なサポーターがたくさんいるのが豊岡地区の魅力であり、強みだと思います。
松下幸之助さんは、決して「~のせい」と言い訳をしませんでした。
逆に「~だったからこそ・・・できた」と、プラス思考を続けました。
「新型コロナがあったから、~できた!」そんな年にしましょう!
https://forms.gle/yZDVhLoots57qR717
教師の仕事は生徒の皆さんをやる気にさせること
だから、教師の仕事は2つあります。皆さんに願望(目標)をもたせることと自己肯定感を高めることです。願望(目標)というと難しくなりますが、皆さんの好奇心を高め、心を刺激することです。「おもしろい」という授業をすることです。学習内容に興味を持てるようにすることです。もう1つは、良いクラスをつくることです。居心地の良いクラスをつくることで、皆さんは集団に貢献でき、自然と自己肯定感が高まります。
皆さんのやる気は、先生方のかかわりと大きく関係しています。豊中の先生方は臨時休業中、おもしろい授業をするために一生懸命教材研究していました。「がんばらねば。」と思います。 校長 見目宗弘
やる気を出すスキル
校長 見目 宗弘
本からの引用 やる気を出すスキル.pdf
具体的な行動アイデアを募集します!
泣いても笑っても時間は過ぎていきます。
新型コロナウイルス(とその対策)は、私たちの生活に
大きな制限をもたらしています。
それを乗り越え、自分たちの手で、「満足感」や
「納得感」を得ましょう!
生徒のみなさんだけでなく、
保護者や卒業生も一緒になって、まずは知恵を集めましょう!
↓
https://forms.gle/68EUuJE6zneEjEmz5
新型コロナの影響を乗り越える
日常を取り戻しつつある感はあります。
しかし、まだまだ影響は大きいです。
今年度予定されていた行事はことごとく中止となります。
総体の中止、コンクール中止と、部活動における大きな目標のようなものがなくなりました。
そして、さらに学校行事も中止や規模の縮小を余儀なくされています。
例えば、生徒会レク、運動会、そして豊中祭。
クラスの一体感を味わえる機会がなくなってしまいました。
どうしましょう?
コロナだから仕方がない。
今年は不運だった。
私はそう思いたくありません。
大会やコンクール、そして学校行事は、言ってみれば
「充実感を味わうためのきっかけ」「人間関係について学ぶためのきっかけ」の
一つです。
だから、生徒の皆さんには知恵を出してほしいと思います。
コロナの影響を乗り越えながら、自分を磨き、人間関係を上手に築き、二度とない中学校生活を価値あるものにする具体的な行動をとってほしいです。
今までは、与えられた機会を受け取り、それにぶつかっていました。
今回は、成長するための機会を自分で生み出すことが求められています。
待っているだけでは、「コロナのせいで・・・」となります。
しかし、これをチャンスととらえ、前進しましょう。
特に3年生、「あの時の3年生は立派だった」と言われるように、
知恵を出し、汗を流し、行動していきましょう!
長文失礼しました。岩井
達成感を味わうための小さな目標
できなくてもよい願望(目標)は大きな気分になれるけれども、実際は実現できないことでだんだんとやる気が失せていってしまいます。心理学者のバンデュラという人は大きな目標に達するための小さな目標を考えました。
・人が何かに取り組む時には、目標が必要である。目標が明確である方が,取り組み
やすいし、意欲もわいてくる。しかし、遠隔目標、すなわち遠い将来の大きな目標
では、その効果は半減する。(中略)バンデュラは、遠隔目標へと至る道筋の上
に、できるだけ 身近で小さく具体的な目標を段階的に設定することによって、行
動コストを押し下げ,「自分にもできそうだ」という感覚を高められるのではない
かと考えた。これが、近接 目標の考え方である。また、バンデュラは、この「自
分にもできそうだ」という感覚を 自己効力と呼ぶ。算数を課題とした研究の結
果、近接目標を与えられた学習に取り組ん だ子どもたちは、自己効力を高め、実
際の成績も飛躍的にこうじょうさせることができた。(中略)毎日コツコツと努力
するためには、毎日の努力を導く身近で具体的な目標が必要なのであり、「気合」
だけではダメである。pp.189-191
『学ぶ意欲を育てる 子どもが生きる学校づくり』奈須正裕著(金子書房)より
バンデュラのいう小さな目標はクリアするたびに達成感を味わえるもので、自己肯定感を味わえます。大きな目標である願望(目標)と自己肯定感を味わえる小さな目標を組み合わせることで、やる気が持続します。 校長 見目 宗弘
心の着火剤としての願望(目標)
やる気には願望(目標)と自己肯定感が大切であることを見てきましたが、少し整理が必要です。大きな目標を立てた時、それを実現できずに達成感を味わえず、やる気が失せてしまうということが起きてしまうからです。願望(目標)と自己肯定感が対立することになってしまいます。両者が対立しないようにするには、どうしたら良いのでしょうか。『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)には、次のようにあります。
・勉強で結果を出せる人というのは、近くにある短期的な欲求を満たすよりも、は
るかに大きな願望を達成したいと思っている人です。p.92
・では、どうすれば強い願望を持つことができるのでしょうか?まずは、「自分は
どういう人生を送りたいのか」を明確にすることです。(中略)このとき重要な
のは、「できる・できない」は考えないということ。とにかく、自分がこうなっ
たらいいな、と思うことを考えて書き出す。私たちは、どうしても「できる・で
きない」で物事を判断してしまいます。しかし、今の自分にできることのなかか
らは、今の自分を奮い立たせる強い願望はなかなか出てこない。pp.96-
97
ここに書かれたように大きなことを考えると不思議と心が高揚してきます。できなくてもよいことで、自然とやる気が出てきます。願望(目標)は心の着火剤として有効です。
校長 見目 宗弘