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令和元年度卒業式


 令和元年度卒業式が、かつて経験のない状況の中、今市小学校卒業式が挙行されました。3月2日から、首相声明により、全国の小・中学校、高等学校、特別支援学校が休校となり、6年生は、一生に一度しかない小学校の卒業式がどのように行われるのか心配したことと思います。全国的に、時間と人員を縮小して行う学校が多く、日光市の小学校は、卒業生と保護者と教職員のみで行うことが決まりました。普段は、在校生も交え、何時間も練習を積み、卒業式当日を迎えていました。しかし、今回は全く練習をができないまま当日を迎えことになりました。そのために卒業証書授与の仕方については、教職員が、モデルになり、壇上への上り方や証書の受け取り方の写真を撮って、ホームページに載せ、卒業生に自宅で各自練習をしてもらいました。

 保護者の控え室とした図書室に、5年の臨海自然教室と6年の修学旅行の見本の写真を1枚1枚切り取って展示しました。保護者の方にご覧いただいてから、最後に思い出としてお受け取りいただきました。

 体育館に通じる廊下の壁面に、卒業生の成長の様子を掲示しました。
あどけなく、かわいらしい1年生の時から、りりしく、立派に成長した現在の姿までを掲示しました。6年間の成長ぶりが良くわかりました。

 この前で卒業生に記念撮影をしていただこうと、フォトスポットを設置しました。この2カ所のコーナーは若手二人の女性教員が考え作成しました。



 上の2カ所の掲示物は養護教諭を中心に英語指導助手、臨時指導助手の先生方が力を合わせて作ったインスタ生えする体育館壁面の掲示物です。心を込めて作り貼りました。

 男性教員が保護者控え室と体育館に卒業生の6年間の写真をスライドショーにして大型テレビで見ていただきました。

 その他にもたくさんの掲示物を作って飾ったり、6年生に気持ちよく卒業式を迎えてもらうために、清掃作業にも力を入れました。特に、用務員の先生が昨日と今日の早朝まで前庭の落ち葉の清掃や整地作業(ブラシ掛け)をしてくださいました。足跡一つない出入り口となりました。

 まだ、1度も証書の受け取り方を練習していないので、式の30分前に、練習しました。担任の先生ほか約10名の教員総出で指導に当たりました。

 さあ、いよいよ本番です。
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 令和2年3月19日(木)10時卒業生が入場しました。
 
 校長先生より、卒業証書を受け取ったあと、台上で、お父さんお母さんへの「感謝の言葉と将来の夢や希望」を堂々と発表しました。たった1度の本番練習でしたが、全員が立派に証書を受け取り志を伝えることができました。

 「学校長式辞」(今まで学校長の話で、感動して目頭が熱くなったことがありませんでした。〔教頭〕)と話されていました式辞ですので、一部を掲載させていただきます。どうかご一読ください。〔ホームページ担当〕)
(前略)
 さて、卒業に際し、みなさんに贈る言葉として、私の座右の銘である言葉を贈ります。それは、「お父さんお母さんを大切に」「おじいちゃん、おばあちゃんはもっと大切に」と言う言葉です。
 保護者様に御協力を頂きながら伝えたいと思います。「保護者の皆様、すみませんがよろしくお願いします」「卒業生の皆さんはそっと目を閉じ、そのままの姿勢で私の話を聞いて欲しいと思います」
 生まれてから今日の卒業式を迎えたこの12年間、お父さん、お母さんにしてもらったこと、心配を掛けたりしたことを思い出してみてください。
 「保護者の方は、どうぞお子様の手の上に手を重ねてみてください」
 「卒業生はおうちの方の手を握ってみてください、どんなことを感じますか」
 その手が、入学式の日、大きなランドセルを背中に背負わせてくれた手です。
 筆箱の鉛筆や消しゴム、あらいる物に一つ一つ丁寧に名前を書いてくれた手です。
(中略)
  心の底から「育ててくれて有難うございました」と言う感謝の気持ちがあるなら、今一度ギュッと力強く握って、そっと目を開け、おうちの方の顔をごらんなさい。「その手こそが、十二年間、君たちを育ててきてくださった手なのです」
 両親に感謝をする、祖父母に感謝すると言うことが今日、心から伝えたかった「贈る言葉」なのです。「ずっと記憶に残してください、お願いします」保護者の皆様、御協力、誠に有難うございました。
 これから迎える中学校生活のいかなる時も「感謝の気持ち」を心の中心に据えて、少し遠くにある自分の「夢や希望の実現」に向かって進んで行くこと、更なる自己実現を果たしてくれることを期待しています。(略) 令和2年3月19日 


 「手を強く握り合う」卒業生と保護者のみなさん。(目をつぶり、涙をにじませ、お互いの顔を見合っていました。)この後、教職員全員で森山直太朗の「さくら(独唱)」を在校生198名の分も気持ちを込めてプレゼントをしました。感動的な祝辞の後だったので、声が思うように出なかったり、涙をこぼしたりする教職員もいました。

 「お祝いの言葉」猪瀬PTA会長から卒業生へ、今までの頑張りと、これからの活躍を願ってのお話をいただきました。「厳しい冬の後に来ない春はない」という言葉、心にしみました。

 「校歌斉唱」卒業生にとって、クラスの仲間や先生方といっしょに歌う最後の校歌
でした。今小プライドが形になった一時でした。
 この後、退場し、すぐに写真撮影(冒頭の写真)をしました。担任と子どもたちの卒業に寄せる思いを学習発表会で行った「よさこい」に込め、元気よく披露しました。


 
 こうして、「夢と希望・感謝・今小プライドと共に」をコンセプトに、かつてない状況の中、卒業生・保護者・教職員で作り上げてきた今市小学校卒業式が、感謝の心と感動あふれる雰囲気のうちに終了しました。卒業生にとって、忘れ得ぬ思い出になれば幸いです。そして、卒業生の前途に幸多かれと教職員一同願っております。
 ご参加いただいたPTA本部役員の皆様、本来でしたらご来賓としてご臨席をいただく予定だったたくさんの地域の皆様、保護者の皆様、卒業生に心より感謝申しあげます。
                 
                      日光市立今市小学校長 石川 僚一
                           同     教職員一同