校長室だより

卒業式

 今年の冬の寒さはやわらかかったものの、季節が春へと移りつつあることを感じるのはうれしいものです。春の訪れを感じるようになった今日のよき日に、保護者の皆様の御参列をいただき、令和元年度卒業証書授与式が挙行できました。
 卒業生のみなさん。ひとりひとりに卒業証書をお渡ししました。おめでとうございます。みなさんの新たな旅立ちを心よりお祝いいたします。小学校6年生は、来年度から中学生として学校を支えてもらいます。中学生としての自覚と行動を期待しています。
 中学校3年生のみなさんと私が一緒に過ごしたのは、2年間でした。この間、中学生として授業や部活動に真剣に励む姿は、私の胸を熱くしてくれたり、がんばろうと背中を押してくれたりしました。思い出とともに、みなさんの確かな成長を感じることができました。
 練習を続け、やりとげた運動会や文化祭。一瞬一瞬のみなさんの姿は、さすが最上級生といえるものでした。これまでの伝統を立派に引き継いでくれました。様々な行事での中学校3年生の姿は、これからの小来川小中学校に、あこがれと目標を与えてくれたことと思います。輝いていたことを私は忘れません。
 ここでみなさんの門出にあたり,2つの言葉を贈ります。
 1つめは、みなさんの「気持ち」についてです。今年度、何度かみなさんに投げかけた言葉です。文化祭で話した「菜根譚」にこんな言葉があります。
「見るべし、天地には1日も和気無かるべからず、人心には1日も喜神無かるべからざることを。」
意味は、天地の間にはたとえ1日でも、のどかな陽気がなくてはいけないし、人の心には、たとえ1日でも喜び楽しむ気持ちがなくてはいけないということです。心が軽くなったり重くなったりすることはあります。その中で穏やかで上機嫌な状態でいると、すべてはうまく進みます。どのような自分でいるかが大切です。自分の中にある確かなものを忘れず、目の前に広がる世界に果敢に、誠実に、挑んでいってください。
 2つめは、「小来川の四季」についてです。4番まであるこの曲は、小来川の風景を思い浮かべることができます。朝、登校時間前に校庭を歩いていると、この曲の風景が広がっています。
「山も小鳥も姿を映す 清い流れの小来川 春はほのぼの霞たな引く 夢の里」この里は、本当によいところです。これから、この里を離れることがあるかもしれません。泣きたくなったり、くじけてしまいそうになったりしたときには、どうぞ、ここで学んだ小来川の四季を思い出してみてください。体のどこかから、力がわいてくると思います。ここで学んだこと、ここで育ったことを誇りにして進んでいってください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長しました姿に、これまでの時間を振り返り、感慨ひとしおと拝察いたします。明日からの新しい生活が、お子様が自分が求める未来に向かって、自分の足で歩き出そうとしています。これまで、御支援、御協力いただきましたことに、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
 卒業生のみなさんの人生はこれからです。結びに、卒業生のみなさんにとってこれから続いていく未来が、幸多きことをお祈りしています。