海馬をだます(2)体を使う実践例
体を使う、暗記の事例を紹介します。
五感をフル活用するのが決め手 本橋寛生(仮名)・文科1類1年
「暗記ものは音読するのが一番」と主張するのが、本橋寛生(仮名)さん。
・「目で読んだだけでは、絶対に覚えられないじゃない。目からだけでなく、耳、口
を使って頭に入れないと。実際、僕の今までの経験から考えても、繰り返し何度も
音に出す方が、記憶の定着率は断トツに上がります。」
と語る本橋さんは、次のようなやり方で音読し、記憶ものをこなしていたという。
「まず初めは、ざっと音読します。もちろん家で行うのですが、声の大きさはなる
べく大きめに。普通のしゃべり声ぐらいまでは、出すようにした方がいい。そして
2回目は、目をつぶって音読。今度は、一度その部分を離れて違うページに行き、
その後再び先ほどの箇所に戻り、目をつぶってまた音読。目をつぶっていても、口
からすらすら出てくるようになったら合格ですね。出てこないようなら、何度でも
繰り返す。暗記に関していうなら、反復することが何より重要ですから。」pp.
12-13
・「座って読むだけでは、気が滅入っちゃいますから。机の前という固定された状況
にずっといることに、飽きてしまうんですよ。なので、音読は歩き回っていた。こ
れなら動きが伴うので、五感をフルに使っている感じがしてよかった。当時は部屋
の中をグルグル回りながら、暗記していましたね。」p.13『東大生が選んだ勉
強法「私だけのや り方」を教えます』東大家庭教師の会著(PHP)
本当に体を使っているのがわかる記述です。 校長 見目 宗弘