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海馬をだます(2)「見る」「聞く」「書く」「話す」をする

 自分がまとめる際、「見る」「聞く」「書く」「話す」という4つの活動を行うと効果的です。

 学習における基本とは、「見る」「聞く」「書く」「話す」という、この4つで
 す。これをおいてほかにはありません。裏を返せば、この4つの行動を十分活用し
 て勉強すると、学習効果は飛躍的に高まります。大切なことは、五感を活用して学
 習すること。そうすれば、脳により強く情報が記憶されるのです。英単語を覚える
 ときに、机に向かって漠然と単語帳を読んでいるだけではあまり頭に入りません
 が、読んだ単語を「書き」、さらにそれを「音読」し、自分の耳で「聞く」こと
 で、単語がより強く記憶されます。学校や塾の授業では「見る」「聞く」という行
 動を主に行います。ここでもやはり、ぼうっと顔を上げているだけでなく、ペンを
 動かして要点をメモしていくことが効果的です。(中略)さらに記憶の定着に効果
 的なのは、「話す」ということです。授業で聞いた内容を人に説明することで、覚
 えた知識が脳にはっきりと刻まれていきます。頭で分かったつもりになっていて
 も、相手が理解できるように説明するには、情報を自分なりに整理しておかねばな
 りません。話しているうちに、自分自身の理解が正確かどうか、はっきりしてきま
 す。話しているうちに内容が整理され、確実な理解として記憶に留まるのです。ま
 た、口で説明するという「経験」を通じて、より強固な記憶にもなります。pp.
 124-126『伸びる子の法則 自ら学ぶ習慣が身につく学習法』森山真有著
 (PHP文庫)

 説明は他人に対してだけではありません。「自己説明」というものもあります。

 
 ところで「説明」というと、誰かが誰かに向かって説明する様子を思い浮かべるこ
 とでしょう。実は心理学ではもう少し間口を広げて、自分に向かって説明する、と
 いうのも説明の1つとして捉えて、「自己説明」などと呼んでいます。例えば、教
 科書を読むときに、読みながら気づいたことや考えたこと、あるいはちょっと頭に
 浮かんだことを、声に出してみるのです。そうすると、単に教科書を読むだけの勉
 強に比べて、学習が深まることが知られています。(中略)自分で勉強するとき
 に、ノートをまとめるというのも、広い意味では「自己説明」の1つと考えてよい
 でしょう。pp.139-140『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えた
 こと』佐藤浩一著(北大路書房) 
 
 「見る」「聞く」「書く」「話す」等、実際に体をこれだけ使えば、記憶に残ると実感できると思います。 校長 見目 宗弘