応用問題には2段構えで対応する
問題の解き方のパターンを頭に入れておくことで応用問題に対応できることを前回確認しました。たくさんの応用問題を解くことで、解き方のパターンが自然と「抽象化」できるはずです。
しかし、入試問題には今までやったことのない初めて見る問題が出ることもあります。問題を作成する側としても必死で作問しているので、「今までに見たことがない問題」が出題されても何ら不思議はありません。このような初見の問題にはどのように対応したら良いのでしょうか。
初めての問題は、授業中、試行錯誤して問題を解いたように地道に解いていくしかありません。
しかし、定石を知っているだけでは、定石にない問題で立ち往生してしまう。そこ
で、自力解決派の言うように、新しい問題にあたるごとに、どのようにすればいい
かを考える習慣をつけることが必要になる。ただしこのときも、やみくもに考えれ
ばいいというわけではなく、
・図を書きながら考える
・簡単な問題にするにはどうするかを考える
・何が求まればいいか、逆向きに考えてみる
などのかなり一般的な方法をワザとして使えるようになることが上達の早道なので
ある。pp.125-126『勉強法が変わる本ー心理学からのアドバイスー』市
川伸一著(岩波ジュニア新書)
初見の問題は、地道に問題を解いていくしかないのです。そのためには、授業中行っているように、答えを出す手がかりを片っ端から見つけていくことが必要です。授業中の試行錯誤の経験がテスト中、生きてきます。「やっていない問題だ」とあきらめず、ボトムアップ的に問題を解いてください。難しいと思える問題も後から解説を聞けば「なんだ、そういう風に考えれば良いのか」と思える問題のはずです。
まとめます。
応用問題への対応は2段構えの対応になります。
最初は、解き方のパターンを適用してトップダウン的に解いていく方法で対応します。この方法が使えない時は、情報を集め、整理し、ボトムアップ的に問題を解いていくことになります。テストの中にはこの初見の問題が1つはあると思ってテストに臨んでください。そして、その問題では「粘り強く考えることができているか、試されている」と思ってください。出題者も「解答者が考えることができているか」を知りたいからです。
応用問題を数多く解き、解き方のパターンを「抽象化」して頭の中に入れておくこと、時間がかかっても地道に考える習慣をつけておくことが応用問題を解く準備になります。
校長 見目 宗弘