小来川小中学校(令和2年度)

2020年4月の記事一覧

学校林見学(教員研修)

 4月21日(火)しばらくの間訪れていなかった学校林の見学に行きました。
教職員が、学校林の歴史現在の状況等について理解し、教育活動に生かすとともに、身近にある地域の人材と教育力を生かし、よりよい教材作りの一助とするためです。

 今回は、元小来川教育振興会長の方を講師としてお招きし、学校林について御説明をいただきました。

 まず、離れたところから、笹目蔵山のどのあたりに学校林があるのか見学しました。赤で囲まれたあたりが学校林だそうです。

 道なき道を進んでいきました。

 沢にかかる橋が朽ちて危険なので、下に降りて沢を越えました。

 やっと、学校林に到着しました。

 少し進むと二つの碑が建っていました。これは何だろうと近づいて碑に刻まれている事項を調べてみました。 
 
 この記念碑は、表面に「学校植林記念碑 昭和31年5月」と刻まれていました。植林が終わって記念碑が建てられたと考えられます。
 裏面には、学校植林運動が目的とする国土緑化や植樹による児童生徒の生活態度作りを達成しながら、育成された学校の教育施設を充実する財源になることは、教育の振興上、物心両面の効果が大きいであろう。その目的からかんがえて、昭和31年山地を提供して、この学校植林設定を推進した。
 植林内容         小学校      中学校
児童生徒の植付       4,900   15,400
既存立木(理事長寄贈)      4,100      300
  計            9,000本   15,700本
 面積(実測)        23反314  27反822 
  計              5町1反206(約5ヘクタール)            
 これらを8カ年で植えつけ全山を緑化し、ついて連年撫育(ぶいく・・・大切に育てること)してこの碑を建てる。本会設立15周年を記念してこの碑をたてる。
 昭和44,4,7 公益財団法人 晃嶺育英会 
 題字 設定当時の中学校長 書 と刻まれていました。
 
 この碑は、表面に、「全日本学校造林コンテスト 特選受賞記念碑」と刻まれていました。裏面には、昭和54年5月27日愛知県加茂郡藤岡町猿投山麓で天皇皇后両陛下をお迎えして行われた、第30回全国植樹祭で学校造林コンクール全国一の特選の受賞を記念して記念碑をここに建立する。
 この度の受賞は、昭和29年4月、地域内の林業家福田孫光氏の指導により学校林が開設され小中学校、学校植林運営委員会教育振興会PTA森林組合役員および晃嶺育英会の学校林育成に真剣にとりくんできた賜である。
学校林経営の方針は
  ①学校林は勤労精神習得の場であること
  ②学校林は森林(郷土)学習の場であること
  ③学校林は児童生徒の憩いの場であること
 私たちは、この3つの基本的な考えをもとに美しい郷土で励む子どもの育成を目指して学校林の運営につくすものである。学校林の整備作業をとおして児童生徒は勤労精神を習得し、あわせて自然に親しむ心を養い、学習の場、憩いの場として整備された学校林での学習や遊びをとおして先輩の努力父兄ならびに地域内の人びとの教育振興に対する熱意を肌で感得することができるであろうと考え、それによって郷土小来川を愛し、それを美しくしようと努める児童生徒になってほしいという願いをこめたものである。
 昭和55年3月1日
 題字、碑文 日光市立小来川小中学校長 書

 講師の方から、学校林の歴史や木の切り出す時期、ベンチは中学生が作った話などを伺いました。

 講師の方(前列中央)を囲んで参加者全員で記念撮影をしました。

 本校の先生から愛宕山(あたごさん)遊歩道散策コースの歩き方の説明がありました。
 
 今回の研修で、広大で歴史の古い学校林があることが分かりました。今から65年も前から、5ヘクタールにもおよぶ広大な山に地域一丸となり、協力し植林をしたことが分かりました。また、40年前に植樹コンクールで日本一になるという、素晴らしい栄光があったことも分かりました。先輩方が残してくれた素晴らしい遺産や教育的精神をこれからの子ども達と大切に受け継いでいきたいと感じた次第です。
 この度、懇切丁寧に御指導くださりました講師の方々に感謝申し上げます。