校長室だより

2020年12月の記事一覧

「見える化」

 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、学校は大きく変わりました。臨時休業中は、教育活動について考える日々でした。そこで思い立ったことは、意識することの見える化です。よくダイエットなどをするとき、目標体重を紙に書いて貼っておくように、意識したいことを、紙に書いて貼ってみました。
 現在、職員室には人権集会で話した「自尊感情」が掲示してあります。校長室には、書道教室で指導いただき、自分で書いた書道が掲示してあります。
「普通の人は、普通に生きているのが1番幸せです。しかし、普通に生きていくのが、1番難しい。」
 コロナ禍の今、普通に過ごすありがたさを感じています。制限はあるけれども、精一杯生きたいと思っています。

「ほこらしいという気持ち」

 「グローバル化」という言葉が、教育現場で使われるようになって久しくなります。情報通信技術や交通手段の発達により、人・もの・情報の動きが活発になり、私達の意識はは大きく外に向いていました。そのような中、令和2年度は、コロナウイルス感染症拡大防止のため、外への意識が一気に止まったように感じました。4・5月は、臨時休業、自粛生活や在宅勤務などで、私達の意識は外から内に向いてしまったようです。
 12月の集会では、「ほこらしい」という気持ちについて話しました。人権週間にあわせて、たくさんの気持ちの中から「ほこらしい」という気持ちを取り上げてみたのです。本校の人権教育の実践課題の中で、「自尊感情を育む教育活動の工夫」があります。自尊感情とは、自分自身をかけがえのない存在として認め、欠点も含めて自分自身を好きになる感情のことです。自分らしく生きようとする自分を受け入れることにより、まわりの人を、自分と同じようにかけがえのない存在として認めることにつながります。
 「ほこらしい」気持ちがもてれば、失敗してもまたがんばろうとしたり、人を信じて、人に助けを求めたりすることができます。自分のだめな部分を見せることもできます。まわりの人に対する思いやりも深くなります。内への意識は、マイナスだけでなく、こうした気持ちにつなげることも考えられます。
 日本の若者は、「自分自身に満足しているか。」という質問に対して、肯定的な回答が少ないと言われています。それは、年齢が上がるにつれてもっと低くなるそうです。コロナ禍の今、しっかりと自分と向きあって、「ほこらしい」自分をもってほしいと願っています。