校長室だより

2020年3月の記事一覧

突然の臨時休業

 3月2日から24日まで、新型コロナウィルス対策として臨時休業になりました。児童生徒の健康・安全と感染の拡大防止のため、日光市内全校で実施しました。突然のことで戸惑いや不安もありました。学校ではできる限りのことを実行しました。ホームページでも、臨時休業中の様子を発信していますので、ぜひご覧ください。臨時休業中、教職員は家庭訪問や電話連絡をとおして児童生徒とふれあい、元気をもらいました。
 このような中での卒業式となりました。来賓の皆様の出席を控えていただき、参加者の健康状態を確認して、時間を短くして実施しました。参加者は、卒業生、在校生、保護者の皆様、教職員。例年より少ない人数でした。10日以上登校していない状態で、練習もままならない中で、卒業生は立派な態度で卒業証書を受け取りました。在校生も一生懸命送り出しました。会場となった体育館は、温かい雰囲気に包まれました。
 今回の新型コロナウイルス対策のための突然の臨時休業。いつもどおりの毎日が明日もやってくる。明日も学校がある。これはあたり前ではなかったのだと考えさせられました。自然災害や世界的な環境問題、人権問題など、児童生徒を取り巻く未来には課題がたくさんあります。どのような未来となっても、卒業生はこの小来川で学んだことを礎とし、誰かのために、自分のために、力と心を尽くせる人間になってくれると信じています。これからも教職員一同、卒業生の未来を温かく見守り続けていきたいと思っています。

海への憧れ

 私が小学校低学年の頃、海水浴に子ども会で行っていました。夏休み前に学校の校庭で、波がくることを想定して海に入る練習をたくさん積みました。海水浴当日はバスに乗って行きました。海が近づいてくると、パッと太陽と松林と海が見えるところがありました。その瞬間、思わず笑っていたことを覚えています。海を見たことがなかっただけに、海に対する憧れが非常に強かったのでしょう。その情景は今でも思い出すことができます。
 1月27日から29日まで、小学校5・6年生は2泊3日で臨海自然教室に行きました。本校にとっても私にとってもは久しぶりの行事でした。冬ということもあり、ギラギラした太陽とは出会えませんでしたが、3日間、日常とは違った環境で学習することができました。特に、思い出に残ったのは塩づくりだったようです。担任の先生が荒れる海から、必死でくみ上げた海水を煮詰めて塩をつくりました。湯西川小学校の子どもたちと協力してできた塩の味は格別だったでしょう。様々な活動や見学をとおして、たくさんの感激・驚き・ときめきを得ることができたようです。帰ってきたときの子どもたちの表情には達成感・充実感があふれていました。臨海自然教室は子どもたちにとってかけがえのない思い出の1つになったことでしょう。子どもたちは私ほどの海への思い入れはなかったですが、出発する前にめあてとしたことは、すべて達成することができました。
 今年度もこのような充実した教育活動ができましたのも、地域の方々や保護者の皆様のご支援のおかげです。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

 

卒業式

 今年の冬の寒さはやわらかかったものの、季節が春へと移りつつあることを感じるのはうれしいものです。春の訪れを感じるようになった今日のよき日に、保護者の皆様の御参列をいただき、令和元年度卒業証書授与式が挙行できました。
 卒業生のみなさん。ひとりひとりに卒業証書をお渡ししました。おめでとうございます。みなさんの新たな旅立ちを心よりお祝いいたします。小学校6年生は、来年度から中学生として学校を支えてもらいます。中学生としての自覚と行動を期待しています。
 中学校3年生のみなさんと私が一緒に過ごしたのは、2年間でした。この間、中学生として授業や部活動に真剣に励む姿は、私の胸を熱くしてくれたり、がんばろうと背中を押してくれたりしました。思い出とともに、みなさんの確かな成長を感じることができました。
 練習を続け、やりとげた運動会や文化祭。一瞬一瞬のみなさんの姿は、さすが最上級生といえるものでした。これまでの伝統を立派に引き継いでくれました。様々な行事での中学校3年生の姿は、これからの小来川小中学校に、あこがれと目標を与えてくれたことと思います。輝いていたことを私は忘れません。
 ここでみなさんの門出にあたり,2つの言葉を贈ります。
 1つめは、みなさんの「気持ち」についてです。今年度、何度かみなさんに投げかけた言葉です。文化祭で話した「菜根譚」にこんな言葉があります。
「見るべし、天地には1日も和気無かるべからず、人心には1日も喜神無かるべからざることを。」
意味は、天地の間にはたとえ1日でも、のどかな陽気がなくてはいけないし、人の心には、たとえ1日でも喜び楽しむ気持ちがなくてはいけないということです。心が軽くなったり重くなったりすることはあります。その中で穏やかで上機嫌な状態でいると、すべてはうまく進みます。どのような自分でいるかが大切です。自分の中にある確かなものを忘れず、目の前に広がる世界に果敢に、誠実に、挑んでいってください。
 2つめは、「小来川の四季」についてです。4番まであるこの曲は、小来川の風景を思い浮かべることができます。朝、登校時間前に校庭を歩いていると、この曲の風景が広がっています。
「山も小鳥も姿を映す 清い流れの小来川 春はほのぼの霞たな引く 夢の里」この里は、本当によいところです。これから、この里を離れることがあるかもしれません。泣きたくなったり、くじけてしまいそうになったりしたときには、どうぞ、ここで学んだ小来川の四季を思い出してみてください。体のどこかから、力がわいてくると思います。ここで学んだこと、ここで育ったことを誇りにして進んでいってください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長しました姿に、これまでの時間を振り返り、感慨ひとしおと拝察いたします。明日からの新しい生活が、お子様が自分が求める未来に向かって、自分の足で歩き出そうとしています。これまで、御支援、御協力いただきましたことに、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
 卒業生のみなさんの人生はこれからです。結びに、卒業生のみなさんにとってこれから続いていく未来が、幸多きことをお祈りしています。