「あきちゃんの落ち葉拾い」
「あきちゃんの落ち葉拾い」
学校長 藤本 明英
その日は、北風が吹くとっても寒い日でした。小学3年生のあきちゃんは、お掃除の時間に落ち葉をたくさん拾ってちりとりに入れていました。すると、一緒にお掃除をしていたかず君が「まだここに残っているよ。」とこんもりとなっている落ち葉を指さしました。あきちゃんは「おかしいな。さっき拾ったのに。」と思いながらも落ち葉を拾いました。その時です。ぬるっとした物が手につきました。よく見るとそれはうんちだったのです。かず君が、落ち葉の中にうんちを隠して拾わせようとしたのです。かず君は、にやっと笑いました。あきちゃんは駆け足で水道に行き石けんで何度も何度も手を洗いました。臭いもかいでみました。転校生のあきちゃんは、誰にも言えずじっと我慢したのでした。
これは今から50年以上前の出来事で、あきちゃんとは私です。私の右手の中指と人差し指には、今でもぬるっとしたうんちの感触が残っています。この出来事を、朝礼の時に子どもたちに話をしました。ご家庭で人権やいじめについて考える話題にしていただけたらと思います。